お葬式は、初めて出席する時は戸惑ってしまいます。とくに、お焼香のやり方は、作法がわからないと前の人のやり方を見よう見まねで行うしかなく、なんとも心もとない気分となるでしょう。あらかじめ確かめておかねばならないのは、どの宗派の様式でとり行われているかです。
なぜなら、宗派によってお焼香のやり方も変わってくるからです。間違えたやり方で行っては、故人に対して礼節を尽くせなくなります。お焼香には、抹香と線香の2つのやり方があり、それぞれに作法があります。抹香の基本的な作法は、列に並んで自分の順番が来たら、霊前にて僧侶と遺族に一礼し、ご本尊に頭を下げ合掌します。
その後、香炉の右側に用意されている抹香を親指、人差し指、中指の3本でつまみ、目の辺りに捧げてから、ゆっくりと香炉へ落とします。そして、再び合掌して一礼した後、正面を向いたまま後ずさりして退席するのがマナーです。お線香の場合は、霊前に進んで僧侶と遺族に一礼した後、ご本尊に頭を下げ合掌するまでは同じです。その後、ロウソクで線香に火をつけますが、炎が出た場合は手であおぎ消します。息を吹きかけて消すのは、マナー違反です。そして、香炉に立て、再び合掌した後遺族に一礼をして退席します。退席する時は、正面を向いたまま後ずさりして自席に戻りましょう。一連の流れを覚えておくと、いざというときに慌てなくて済みます。大人のマナーとして、心にとめておきましょう。